会社でどんとの死を知る。会社の机の前で泣く。
社会人になってから、ずっとどんとの歌がそばにあった。暖かい春の日、彼女と二人で目覚めた朝は、いつもボ・ガンボスの“誰もいない”が頭の中を駆けめぐった。♪ずっとふたりで 朝も夜もいつも 遊んでたから なにもわからないよ・・・ 毎年夏に海へ行くときは“トンネル抜けて”を歌いながらいくつものトンネルを抜けて海へ。夜の公園の満開の桜の下で“助けて!フラワーマン”歌って怒られたり。ボ・ガンボス最後のライブで玉城さんと歌った“橋の下”はギターを持つと今でもつい弾いてしまう。徳島のディラン、アンカーベイでのライブの感動は忘れられない。CDに“のりのりのりおさんへ”と書いてくれたサインはきっといつまでもいつまでも俺の宝物でありつづけるはず。
夜、追悼の酒を飲みながら“あたたかい方へ”を弾いて歌う。♪ここは偽物ばかりのがらくた森の中 寒い世界のこと あの雲はどこへ あたたかい方へ・・・ また涙が出てくる。こんなに悲しいことは他にない。